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村井亮介の いまどきノベル

村井亮介の いまどきノベル

若君っ貴公子のご自覚をっっ 5

<若君っ貴公子のご自覚をっっ 5>



第2章 戦争??



「なにそれ~~~」


アイがとても驚いていた




孝太は帰宅するとすぐアイの携帯に連絡したのだ


「前世で家族とか、信じるわけ?」




「いや、信じたわけじゃないけど・・・」


「けど、なによ?」




「なんともいいようのない魅力というか親近感のようなものを感じたんだ」


「あ゛ーーー、その綺麗なユリ姫でしょ???」



「いや、中杉家のみんなにだよ」


「ほんとかな~~」


と言ってアイは孝太の気配を探る



「すごく綺麗でセクシーな人なんでしょ?


旦那様とか言われて、鼻の下のばしてたんでしょ??」




「いや、違うって」


ひたすら狼狽する孝太


「ほら、顔も真っ赤になってきた」



「それは君がからかうからだろ」


「あきれた、ホントに赤くなってるんだね」



「あ」


「携帯で顔見えないし・・・


すごく綺麗なんだよね~~~?」


全然信頼されてない哀れな孝太




「だってさ、俺には・・・」


「俺には?何よ?」


(アイがいるだろ)


って言えない哀れな孝太



「なによ、そうやってね、言いかけた言葉を飲み込むのが、


あんたの悪い癖って昔から言ってるでしょ」




「うん・・・」


<タラリラッタリッタラッタランランラン>


「なに、その音楽、ドアチャイムじゃないの?」




「だね」


「でなさいよ。待っててあげるから」




どうやら、アイは少し怒っているようだった


もしかするととても心配しているのかもしれなかった



「速達で~~す」


といって訪ねてきたのは忍び装束の女性



「は?


ナカスギの方ですか?」


孝太の前に跪いて封書を差し出すその女性


(メールではいけないわけ?


メルアド聞かれたじゃん)


と呆れつつ受け取ると



「では、若、ご健闘を祈りまする」


と言い残して走り去っていった



『召集令状』と大きく赤字で書いてある


「ええっ、召集令状???」



・・・・



「もしも~~し、もしも~~し」


気づくと携帯からアイの大声が聞こえていた


「あ、ごめん、びっくりして忘れた」


「なによ、なにがあったの?」


と、一変して優しい口調で聞き出そうとするアイ、


その辺は人の扱いに長けているのだ



「うん、召集令状って表に書いてる」





「え゛ーーー、なにそれ?


またナカスギ?」



「うん、そう」


「なにかのジョークかな、イベントとか?


それとも狂ってるとか?」




「うーん。。。」



「早く封筒開けちゃいな」



<ビリビリビリ>



『明日、二十日深夜


竹屋家居城を夜討ちする


武功を挙げたものには褒美を与える


貴公の参戦、及び奮戦を期待するものなり


詳細は明日午後八時に当家居城八階会議室にて


説明するものである


中杉剣心』


って書いてあるよ。


竹屋家ってあの竹屋真剣の戦国RPGリリースしてる


タケヤ・ソフトウェアのことかな?」


と手紙の内容をアイに報告する孝太



「戦国RPGの両巨頭よね。


夜討ちってまさか本当に襲撃してゲームデータ盗んだりするのかしら?」




「うーん。。。」


「お金は盗らなくても充分儲かってるだろうし」




「もしかしてタケヤの社長が竹屋真剣の生まれ変わりとか言ったりして」


「ああ、またあの、うさんくさい話ね」




「そんな気がする。


みんなあの生まれ変わりの話、


かなり本気みたいだから」



「あーあ、面倒なことに巻き込まれたわね」



「なんだかわかんないけどさ、面白そうだから行ってみるかな」


「明日は土曜で土曜深夜だからやっぱりイベントなのかしらね?」




「だと思うけど」


「もし犯罪行為だったら、さっさと逃げるのよ」




「その時には俺が止めてみせるよ」


「あー、そう言うと思ったわ、孝太の男気もいいけど、


大人の世界の悪は本格的だからね。


ひどいことになってきたら手を引くのよ。


いい?」




「うん、わかったよ」



つづく


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